2025年8月7日木曜日

第75回税理士試験(簿記論・財務諸表論) を受験しました

続いて2025年8月5日に実施された税理士試験(簿記論・財務諸表論)を受験できましたのでかなり長くなりますが活動レポートを投下しておきます。


前回書いた通り2024年11月に日商簿記1級を受験して会計学の理解が浅すぎることに気づいたため勉強を続けようと思い、11月末頃から勉強を再開しました。

簿記1級の反省から独学は地獄を見ることがわかったので通信講座を取ることとし、どこの予備校にするのか、上級コースか初級コースか、そもそも12月になろうとするのに今から8月の試験に間に合う講座あるのか、などを調べお試し講座などもいくつか受けて最終的にLECの簿財横断速習コースに決定。15万円。

ド貧民の割に国からお金盗られまくってるので正直この金額は辛いです。10円しか持っていない僕から5円盗るくらいならお金持ちを集団農場に送って1,000兆円巻き上げたほうがよくないですかそもそも我々労働者を搾取している肥え太った資本家どもは...

また少し左に寄りかけましたので予備校選びに話を戻しますと税理士試験の予備校は大原、TAC、LEC、クレアール、スタディングくらいから選ぶかと思いますが、金額と実力のバランスが取れていたのと富田先生の講義が飽きなさそうなのでLECにしました。簿記1級持っているので上級コースという手もありましたが、そもそもが独学なので基礎から学習し直すという意味も込めて通常の初年度学習者コースを選択し1週間ほどで教材が到着しました。


■基礎期(~4月末まで)

簿記1級のときはテキスト・問題集12冊で騒いでいましたが今回は数えるのを諦めました。たぶん全部で30冊くらいあるかな。簿財横断速習コースは8月末から開講しているので僕は3ヶ月遅れのスタートということになり、まずは通常のスケジュールに追いつくために講義の視聴を進め世間で言うところの正月終了頃には1ヶ月遅れまで挽回でき、2月末には次の教材が発送されるのを待っている状態にまで詰めることができました。やはり簿記1級のパワーは偉大で講義でわからない部分はほとんど無かったので、かなりのスピードで講義-復習のサイクルを回せたと思います。参考までに一日の勉強時間は概ね平日3-4時間、休日(無給平日という話も...)8-10時間でした。簿記1級から数えてこの1年、自分で使える時間は概ね勉強に投下していました(FPSやりたい)。基礎期の5ヶ月で講義含め600-650時間勉強したかと思います。

簿財横断速習の講義は計算中心で理論はページめくっているだけで解説はあまり無かったので、結局会計学は自分で独学するのと変わりませんでした。富田先生の言葉通り計算メインに復習を続けながらも8:2くらいの割合で簿記1級時代のテキストを使って会計基準の暗記を進めていましたが、今から思えば早めに会計法規集や他の参考書を買うべきだったかなと。会計法規集は5月の直前期の講義で並木先生に言われて必要だったことを知り購入し、これを独学することで会計基準の結論の背景への理解が深まり会計基準の暗記に奥行きが出せたので、会計基準の横のつながりをもう少し強化できていればなお良かったかな(さすがに時間が足りないか)。

3月の半ばには基礎期の講義はすべて終了したので5月までは1.5週間に1周くらいのペースで問題集を回し、まとまった時間ができたときは実力確認テストを解き直ししていました。問題集は最終的に重要な箇所は8-10周くらい、優先度低い連結や包括利益などでも4-5周は回せました。実力確認テストは最初の頃は3周していましたが5月の直前期が始まってからは優先度を落として結局3周していない回もありました。

参考までに実力確認テストの点数を貼り付けておきます(LEC採点者様による採点。ときどき採点ミスあり±1~2点くらい幅がある場合があります。3回までは8月末スタートの人と比べて2ヶ月遅れで受験、4回以降は0.5~1ヶ月遅れくらいで受験しています)


第1回だけ試験時間を120分ではなく80分と勘違いしていたため時間が足りていません。最初こんなに時間足りないものなの?って焦っていましたが後からストップウォッチの見方が間違っていたことに気づきました。ヨカッタ

本試験を受けてからの振り返りになりますがLECはテストの質が非常に良かったと思いました。簿記1級も満点を目指す必要の無い試験ですが簿記論・財務諸表論は更にその傾向が強く特に難易度の高い簿記論は問題を取捨選択する力が問われますので、実力確認テストの段階から時間内に回答を作り込む練習ができたのは合格方向に大きく貢献した部分だったと思います。回答戦略についても簿記論は最初の頃は第三問勝負で第一問と第二問は余った時間で取り組む考えでしたが富田先生の意見を入れて加点対象となりやすい第一問、第二問の方が得点効率が良いことに気づき戦略変更。財表はこの時点では理論は暗記は進んでいましたが会計基準の結論の背景が固まっていなかったのでこれでいいのか?と思いながら延々と第三問と格闘していました。


■直前期(5月~)

5月になり直前期の講義と答練(テスト)が始まります。勉強時間は基礎期と同じ平日3-4時間、休日8-10時間で進めていましたが答練と答練の間隔が狭くもちろん復習の時間も必要なので徐々に時間が足りなくなっていました。これ以上勉強時間は増やせないので溢れる部分も出てきてやむを得ず復習できない箇所も出てきたりで完璧主義気味の僕には辛かったです。直前期の講義は簿記論についてはこれまで同様簿記1級パワーであまり新たな論点はありませんでしたが、問題集は本試験の問題も多く基礎期の問題集の発展型という感じで追い込み甲斐がありそうでしたが時間なく他を優先した関係もあり2-3周しか回せませんでした。財表の直前期は並木先生から会計法規集の存在を教えてもらえたのが大きくこれを読み進めることで徐々に会計基準の背景が理解できるようになってきました。この頃になると財表の第三問は問題なくクリアできるようになってきたため、より理論に注力することにしました。(8:2→6:4くらい)

直前期5~7月は3ヶ月間で講義含め400-450時間勉強できました。合計で8ヶ月間で1,000-1,100時間勉強したことになります。この内、講義視聴時間は150時間でした。

直前答練の点数も記載しておきます。(直前答練は4回まではスケジュール通り、5回と6回は仕事の関係で2週間遅れくらいで受験しています)


直前答練は特に60点(自力合格点)を取ることを意識して試験に臨みました。直前答練もかなりテストの質が良く試験後の分析作業を通じて自分の実力をもう1段上に引っ張ってくれたと思います。実力確認テスト同様、最初の方は3周くらいしていましたが次から次に試験問題が来るので最後の方は1.5周くらいが限界でした。

回答戦略は上述した通り簿記論は第一問、第二問優先、財表は結局第三問優先で進めることとし、この戦略に沿って答案を解き進める練習として答練を消化していきました。簿記論の特に第3回は第一問の推定問題を解いたのに点数が取れておらず、この戦略だと第三問の点数は大きく伸ばせない以上、第一問、第二問は必ず点数積まなければならないというデメリットも見えました。まぁ第三問は時間かけたところで伸ばせる点数は10-15点くらいなので第一問、第二問ちゃんと解いて40点くらい取ってくださいよという話なんですが。

一方で財表は第三問が安定して取れているのであまり課題は感じず、理論は会計基準を暗記+会計法規集を読み進めている部分と、会計基準だけを暗記しているところでかなり点数に差があるので本番まで淡々と理論学習を進めるしかないという結論でした。


■公開模試(6月)

7月になりLECの公開模試を水道橋まで行って受けることにしました。これまで自宅での学習ばかりで点数を他の受験生と比較したことはなく、富田先生は試験の難易度関係なく脅す発破をかけるため自分の点数が相対的にどの程度の位置にいるのかわかっていませんでしたので、公開模試で自分の今の位置を理解することと、他人の電卓の音や試験の緊張感に慣れることを目的に受験しました。(休み取るのホント大変だったんだから...)試験会場は目がキマってるおじさんは少なく思ったより年齢層若めで学生っぽい人も多く、簿記1級よりも経理職の集団っぽい感じはなかったです。簿記1級のあれは僕以外の約10人全員経理だったでしょ。

点数は以下の通りになりました。


公開模試でも直前答練同様の回答戦略で進めましたが、難易度が高く点数を伸ばすことはできませんでした。落ち着いて考えれば解ける問題が多く本来の実力を出せれば簿記論は70点程度、財表も55点程度獲得できるハズでしたが、本番の緊張感や財務諸表論まで集中力が続かない等、課題が浮き彫りになったと捉えて対策を考えることにしました。なお相対的な評価としてはどちらもA判定(簿記論偏差値56.4、財表偏差値61.6)と上位にいることがわかり、仕事の都合もあり1回きりの模試でしたが本番に向けて一応の自信になりました。


■予想答練(7月)

公開模試が終わってからはまた自宅学習に戻ります。残った直前答練を片付け、最後の予想答練を受けました。これは最終確認的な意味を持つ試験で新規の論点はもうありませんので、公開模試~本試験までの間の緊張感や実践感覚を維持することを目的にして受験間隔を調整して挑みました。

第3回は採点されませんので第1回と第2回の結果のみ貼り付けます。


概ね回答戦略通りの対応ができました。予想答練と並行して過去の答練や公開模試の解き直しを苦手分野中心に進め、併せて問題集の復習と出題可能性の低い理論の学習も進めました。


■本試験(8月)

本試験は東京江古田(武蔵大学様)で受験しました。田舎モンの僕は聞いたことない街で池袋の近くということできらきら都会を想像していましたが、近くに宿がまったくなく仕方なく池袋に前泊しました。池袋駅広すぎて全然出口がわからずなんなら本試験より難しかったです。東京汚いよね池袋とかホントなんでこんなに人集まるんだろうこれもプロレタリアートに対する啓蒙活動を妨害している資本主義者の仕業なんでしょうねもっともプロレタリアートといっても今は子どもすら持てませんが。

どこからか変な声が聞こえますが話を戻して試験会場が暑いみたいな話がツイッター界隈から流れてきていたので熱中症対策のため前日までに車を近くの駐車場まで移動しておいて試験と試験の間は車で休憩を取れるようにしました。結論から言えばここまでする必要はなかったかなとは思いました。日頃鍛えられているからなのかもしれませんが、試験会場はそんなに暑くなかったよ?むしろ試験会場-駐車場間の移動の方が暑かった。徒歩1分なのに。

会場に7時40分頃に到着しましたが8時00分に案内開始ということで大量の受験生の内の一人となってしばらく待ちます。受験生層は公開模試を受けた層よりも少しだけ年齢層上なのかな?といった感じで経理感は多少ありました。教室に案内されるといかにも大学の教室で椅子を一個ずつ空けて座っていく感じでした。僕の席は右端でしたが僕左利きで試験中何度か腕が隣の椅子にあたったので隣の方に振動が伝わっていれば少し迷惑だったかもしれません。まぁ結構白紙の方だったので関係ないとは思いますが。

周囲の人も電卓も舐めてる安いものを持ち込んでいる人がいたり時間ギリギリに入場してくる人もいたり隣の様に答案が白っぽい人もそこそこいて記念受験勢も多いと思いました。

試験運営自体も年1回の試験だからかあまり手慣れていない感があり問題集配るタイミングだったり時間管理だったり監視の目の緩さだったり気になる面がありました。まぁ特に簿記論は隣の席の人の回答用紙を写してもそれが合っているかなんてわからないので自分が白紙でも無い限り意味ないですけどね。

試験は9:00-11:00までが簿記論、12:30-14:30までが財務諸表論になります。


簿記論は開始1分くらい前に座る場所を間違えた人がいてなんか慌ただしくなった状態でスタートの号令がかかったためストップウォッチを押すのを忘れてしまい開始5分後くらいに気づいて押しましたがもう意味ないので結局壁にかけている時計を見て判定することになりました。メンタルトレーニングのお陰で公開模試より表面上緊張感は少なかったのですが、やはり心の中では緊張していたんでしょうね。

問題を2分程度でざーっと流して問題構成と第三問の分量を確認し、第三問が当期のB/S締まってて回答欄がP/Lだけであることに驚きつつ通常通りの分量であることを把握できたので第二問から解き始めることにしました。僕の欠点として調子が出てくるまでに時間がかかるので第一問と第二問の内、小問で構成されている(つまりミスっても被害が大きくならない)方から解くこととしており、それは通常第二問になるのでここまでは予定通りです。

第二問は問1と問2の2問構成で問1が事業分離、問2がストック・オプションでした。ストック・オプションは公開模試にも出題されておりLECの精度の高さが伺えます。公開模試の際はストック・オプションの付与時点における公正な評価額を誤って計算してしまい全然点数伸ばせませんでしたので同じミスをしない様に意識してしっかり評価額の単位を確認したのですが、本番故かそれでも間違えてしまいました。ですが失効見込みゼロで計算していくと総勘定元帳の貸借が逆になるので失効見込みありで再計算していく過程の中でミスに気づくことができました。本来8分程度で完答できる問題のレベルの割に3倍以上の25分くらいかけてしまいましたが、ストック・オプション条件変更が影響する1箇所のみ空欄にして回答することができ、8箇所中7箇所正解でした。(条件変更も本来であれば解けるレベルですが時間が無く空欄)予想配点11/13点。なお予想配点は大原のものです。


問1の事業分離は移転損益を認識するかしないかが論点になりますが問題文も短くかなり簡単でした。富田先生が予想答練のときだったかと思いますが連結より事業分離の方が出るんじゃないかなとコメントされていたのと、基礎期から連結や事業分離等の応用論点は基礎さえ押さえていればOK(難しい問題は誰も解けないから)と繰り返し言われていました。やはりプロは当ててきますね。特に論点もなく10分くらいで完答できましたがD社資本金の処理が合わず1箇所間違いでした。予想配点11/12点で第二問は合計で22点/25点の予想です。時間的には35分なのでやや時間使いすぎましたが、問1やっている途中からようやく頭のエンジンかかってきたと思います。

次に第一問に進みます。第一問は1問形式で推定込みの決算整理の問題でした。25点配点の割に解答箇所30個もあっておかしいぞ!と思いましたが、推定は悩んでも仕方なく手を動かすしかないので小細工なしで資料の上から順番に決算整理を解いていきます。自己株式に関しては株式交付費の処理を月割にしていないのと新株発行時の普通預金への預入額を純額にしていなかったのが間違い。後たぶんですけどその他資本剰余金を選択すべきところを「その他」しか見ておらず「その他有価証券評価差額金」を選択して記号記入した気がします。もう覚えていないんですが。

転換社債型新株予約権付社債と圧縮記帳については特に問題なく処理できました。圧縮記帳ができると回答欄がたくさん埋まったので積立金方式(と税効果の適応)をしっかり理解しておいて良かったです。そして外貨建ての未収有価証券利息はそんな計上方法なんですか初耳なんですが。。。

第一問はここまでで35分かけてしまったので分配可能額は計算しませんでした。30箇所中6箇所間違いで予想配点は18/25点です。

ここまで第一問と第二問合計で70分経過と予定より10分オーバーしてしまい、残り50分で第三問を消化することになりました。ただし得点は概ね取れているだろうと想定して第三問は普段通り20-25点目指して、通常通り解きやすい問題から解くことにしました。回答欄を改めて確認して得点源を探します。圧倒的に目に付く固定資産関係。なぜか減価償却費が資産別に個別解答が儲けられておりこれだけで6箇所。更に固定資産に関連する部分で圧縮損、売却損、売却益、リース資産の解約損、資産除去債務、利息費用、リースの支払利息の7箇所ありますので、固定資産解くと13/36箇所すなわちおよそ35%が埋まる計算になります。そして問題用紙の固定資産の部分はそこまで多くはない。さらに前期末の閉鎖残高と当期末の閉鎖残高が与えられているので正答確認ができるかも。。。ということでもちろん固定資産は確定で解きます。

他に問題文的に早めに終わりそうだった投資有価証券(解答箇所3箇所)にも手を付けたいのと、問題見る時間ありませんでしたが貸倒損失や棚卸減耗なんかも何となく手を出しやすそうだなーとか思いながら残45分で着手開始。

問題自体は特に特別なものはなくただ単に正確性と速さを延々と問われるいつもの第三問といった感じでした。上記計画の通り固定資産、投資有価証券を終わらせ回答欄にズレが無いか見直す時間も少しだけ取り棚卸減耗はすぐには出そうに無いので諦めて最後に貸倒損失、貸倒引当金繰入額を入れたところで試験終了。19箇所/36箇所記入して正答は13箇所/19箇所と少々正答率は低くなりましたが予想配点は20/50点でした。

上記にて簿記論は第一問18点、第二問22点、第三問20点の合計60点となりました。ボーダーライン55点であるということと、自力60点突破できていることから合格できたかと思っています。


簿記論が終わると教室から出されますが建物内には残れるっぽくそこで待っている人もいたみたいです。僕は上述の通り車で昨日買っておいたクリームパンを食べながら普通に仕事していました。空調効いたスペースに残れるのであればチョコレートでも買って周りの目と仕事の鬼電は気にせずぼりぼり食べていたほうが良かったかもしれません。

12:00頃に会場に戻ると部屋に入れる様になっていて同じ席に座りました。やはり簿財同時に受ける人が多いらしく周囲の受験者もあまり変わっていなかったように思いました。財表はLECの答練や公開模試の成績も簿記論より良い傾向で個人的には得意に感じていましたので簿記論以上に緊張は感じず、試験開始直後から集中モードに入ることができました。

財表は毎回確定で第三問から解きます。これは第三問の分量が毎回変わるため第一問、第二問の理論で使う時間を調整用として残しておくためです。今回の第三問はSSがあったのが特徴的で先に資本関係の処理を行って回答用紙を埋めてから通常のB/S及びP/Lの回答に移りました。事業税の所得割と資本割と付加価値割の処理方法を何故かど忘れしてしまい、販管費や法人税等、税効果について正答できなかったことを除いてはあまり難しさを感じず解いていくことができ、ある程度解答が埋まったので65分経過くらいで一旦切り上げて第一問、第二問の理論に移りました。理論についても難しいと感じる部分は支配の記述くらいでそれ以外はどんどん答えが頭に浮かんできて止まることなく回答用紙に書き込め、20分くらい余ったのでまた第三問に戻り残りを仕上げていきました。

試験終わったタイミングではかなりできた感触を持っていましたが、家に帰って解き直ししていると間違いが出てくる出てくる。。。

・何の疑いもなく固定資産を間接法で記載してしまいましたが、実際は直接法であり負債の部の表示科目の空欄は長期リース債務が入る初歩的なことに思い至りませんでした。

・何故かメモには6ヶ月と書いておきながら社債の償却原価法を1年で計算するという簿記3級レベルの間違い

・理論の記述で記述漏れや抜け。

・理論計算で小学生でもできる集計をミス。


会場では結構集中できていたはずなのにこれほど間違い多いことはこれまで経験に無く、2科目受けることの疲れや睡眠時間不足(おじいちゃんなので5時間くらいで目が覚めてしまう)が影響した他、理論に対する考えの甘さが本番で出てしまったかなと思っています。課題が残る試験でした。

同じく大原の予想配点で理論を厳しめに付けて第一問14点、第二問14点、第三問36点の合計64点でした。理論を普通に付けると+4点の68点でボーダーラインが63点ですのでなんとか合格していると良いのですが、それよりもどう考えても80点は取れたでしょうという思いのほうが強いです。公開模試や予想答練どころか通常の直前答練より簡単な試験に64~68点とは大変情けなく、いっそのこと落としてもらって来年しっかり復讐した方が良いのではないかとの気持ちでもおります。

とはいえ8ヶ月頑張って勉強して、会場に行けて、試験を受けて、1科目はおそらく合格してもう1科目もボーダーラインに乗れたのも事実。FPS/RTSと同様に今回出てきた課題を抽出し次から対応できるように進めていきたいと思います(僕のIQ+100になる修正パッチ出ないかな)。


2025年1月8日水曜日

第168回 日商簿記検定 1級に合格しました(独学)。

 ご無沙汰しております。

旧知の皆さんが各方面で頑張っておられるので、僕も近年の頑張りを報告しておきます。

社会人になって10年以上経過して営業とはいえさすがにそろそろ勉強しておこうということで、2023年の1月から簿記の勉強を始めました。


■3級編

まずは1日2時間程度、3級から勉強を始めました。これまで社会で生きてきて経済学部出としては恥ずかしながらなんとなくの理解であった借方貸方や資産/負債/純資産から始まり、仕訳の勘定科目を覚え(こんなに少なくて世のすべての取引を網羅できているの?とは未だに思っています)、3級レベルの仕訳はほぼ全部できるようになったので4月頃に累積250h程度の勉強時間で2級の勉強に切り替えました。

この段階では決算手続は理解があやふやでしたが、仕訳はできるのでいずれできるでしょう、と思い次に回す判断をしました。まぁこれでよかったかなと思っています。3級は合格しても意味がないので試験は受けていません。

テキストは初学者ということで理解優先で「スッキリわかる日商簿記3級」だけで行きました。ちょっと浅いですが大体必要なことは書かれているのと、何よりめちゃくちゃわかりやすかったのでオススメです。


■2級編

2級からは新たに工業簿記が加わります。商業簿記同様に仕訳を完璧に処理できるように進めていきましたが借方/貸方のイメージがあまり理解できず(なんで資産である材料が貸方になる場合があるの?とか)、予定額の配賦なども結構苦労した記憶があります。ただ総合原価計算に入り勘定連絡図を覚えたタイミングくらいで納得できたので、6~7割くらい理解したら次に進むくらいが丁度よいのかもしれません。商業簿記の方は仕訳は量が増えただけなのであまり苦労しませんでしたが3級でスルーした決算整理やPL/BSの作成でつまずきました。連結会計とか本店支店会計はおそらく他の人よりは苦労しなかったかな。

テキストは同じシリーズである「スッキリわかる日商簿記2級」の商業簿記/工業簿記の2冊で行きましたが、これはあまり良くなかったかもしれません。6月くらいにテキストが一段落付いたので過去問題集を処理していきましたが知らない仕訳が出たり勘定連絡図の種類がこんなものではなかったりと、使っていたテキストがそこそこ浅いことが発覚。問1や問3の仕訳すら半分程度の正解率で、そもそも試験が難しくて時間内に解き切ることができずちょっと考え甘かったなと思い軌道修正しました。

テキストとして「よくわかる簿記シリーズ」を、トレーニング用の問題集も「よくわかる簿記シリーズ」を商業簿記/工業簿記で2冊ずつ計4冊追加購入して再勉強を始め、しっかり理解できるようになるまで10月くらいまで延々と学習を続けました。

内容に相当詳しくなり過去問もほぼ問題なく制限時間以内に解ける様になったので11月にCBT受験。満点は無理でしたが1問間違い(たぶん問題の読み取りミス)で合格。CBTの方が合格率高いので簡単とか言われていますが僕のときも本店支店と連結会計、CVP分析が出ましたし、そんなことはないと思います。多分受かるレベルになってから受ける人が多いからじゃないかな。

ここまでで累積勉強時間800時間くらいでした。


■1級編

営業が本職ですし2級までで辞めるつもりでしたが2級をほぼ完璧に理解できていたので才能あるかも折角の機会だと思い1級の勉強を始めました。浅はかすぎる。

テキストと問題集は2級合格の実績があるので引き続き「よくわかる簿記シリーズ」。2級は合計(わずか)4冊だったのに1級はテキスト6冊、問題集6冊の合計12冊構成でよくわからなかったです。難解すぎてテキストを理解するための(簡単な)テキストが必要との噂もありましたがまぁ2級ほぼ完璧だし問題ないだろうと思い他には何も買いませんでした。浅はかすぎる。

普通に地獄でした。1級から会計学、原価計算の2科目が加わり合計4科目になりますが、それはまぁ良いとしてテキストが説明不足すぎる。なんでいきなり概念フレームワークとか出て来るの?これどこまで覚えればいいの?おそらく講義を前提に作られているのかと思いますが問題集と比べたりインターネットで検索したりで一つひとつの論点をクリアしていくのは大変でした。あと理論はなんでこんなに覚えにくい日本語なのか。上述した概フレの他に商業簿記・会計学では総記法、売価還元法、税効果会計(2級でやっていたけれども)、オプション取引、積立金方式の圧縮記帳、ファイナンス・リース取引、退職給付会計、企業結合、株式交換、会社分割あたりが特に辛かったです。工業簿記・原価計算は2級で散々やったので比較的楽でしたがそれでも仕損減損全般と原価差異分析の処理、それと企業予算と差額原価収益分析はちょっと悩みましたし何より工業簿記は処理パターン多すぎて定期的に復習しないと理解不足になるので、本番までちゃんと理解したままでいられるかが怖かったですね。

途中で理論ミニ問題集も追加してようやく2024年10月頃から過去問に取り掛かりました。2級終わったのが2023年11月で、そこから11ヶ月経ったということになります。この時点で簿記1級だけで1,200時間、3級からの累積で2,000時間は経過しています。これでも全然時間が足りず、過去問がなかなか合格ラインに乗りません(ボーダーが70点に対して60点前後)。足りない知識(分厚いテキストに※で書かれている内容も覚える必要があるのか?)、間違って覚えていた処理(そんな処理するとはどこにも書いていないけど?特にリース会計さん?)などをアップデートしながら2ヶ月を過ごし1点、2点と点数を上げていく作業を積み重ねましたが、計算ミスや新論点が出たり等で点数はほとんど伸びず本試験の日が来てしまいました。。。

ここまでで簿記1級だけで1,500時間、累積で2,300時間程度の勉強時間でした。これを普通に毎日(土日も)仕事しながらこなしていた僕すごすぎませんかね。簿記1級は500時間で合格できるとか書いているサイトは信じてはいけません。(講座通いの時間を抜いて500時間勉強であればギリギリ合格できると思いますが、独学なら簿記2級満点レベルから最低1,000hは必要だと思います)


■1級受験編

受験当日11月17日(日)はさすがに久方ぶりに休みを取り(当たり前だ)試験会場へ。前の晩も当日の朝も普通に勉強して電車の中でも勉強して会場に着いてからも勉強してと最後まで頑張って乗り込みましたが、すべての論点を完璧に揃えることはできませんでした。電卓の音が気になるかもと思い場末の会場を選んだので受験生は意外に少なく10人程度。電卓の古さから鑑みるに全員おそらく2級までは取得済で1級に向けてそれなりに勉強してきたはずですが、それでも確率的にはこの中から1人しか合格しないとは厳しい試験だなと改めて思いながら試験に臨みました。

試験問題はリンク貼っておきます。

商業簿記・会計学

工業簿記・原価計算


試験は会計学から解きました。商業簿記は沼にハマると僕の悪い癖で永遠に考えてしまい会計学の時間が足りなくなることから、会計学から解いています。第1問の理論から普通に難しかった気がしますが1問は確定で回答でき他も2択までは絞り込んだのでもう1問くらい取れるでしょうということで悩む時間は作りませんでした。結局2問正解2問間違い。会計学の間違いはこの2問だけでした。第2問は企業結合と連結貸借対照表でしたが2級の頃から連結会計はそこそこ得意でしたのであまり問題なく全問正解することができました。持分法→支配獲得時の段階取得差益だけ少し悩みましたが持分法も連結会計時の処理ですし個別会計と連結会計の差を段階取得差益だと考えれば良いと捉えて処理しました。難易度的には第1問は普通、第2問やや簡単でしたので、第2問は途中で土地の売却あるいは土地ではなく建物の評価差が生じているなどの問題でも良かったかもしれませんね。会計学は21/25点(84%)。この時点で残り60分以上余っていました。


商業簿記は個別決算でした。今回も収益認識が出ましたね。

商業簿記は必ず決算整理の指示が意味不明な(日本語がわからない)箇所がありますので、わからない問題は捨てて浮いた時間で他の箇所を完璧に埋める作戦で行きます。過去問ではこの方法を採っていなかったため、その問題は解けたが時間をかけすぎて他の問題でミスしてしまったことや、時間をかけて回答を埋めたが間違っている等が頻発して合格点に達していなかったと自己分析しており、本試験2日前から急遽練習した方式ではありますが会計学もかなり取れている自信があったので10点取れれば良いと思い賭けてみました。捨てる箇所はどうせ3~6箇所くらいなので多くてもマイナス12点で、他の受験生もわからず埋没することを考えると大体マイナス4~6点くらいのダメージで済むのではないでしょうか。それなら他を完璧にしたほうが安全ですね。仮に10点でも会計学と合わせて30/50点(60%)には到達しているので、得意な工業簿記と原価計算でボーダーラインまで巻き返すことは可能です。

今回は1.(1)の処理が意味わからないのでスルー。連動して1.(2)と(3)もスルーしました。見本費は入れましたが。これにより売上、返金負債、売掛金、貸倒引当金が間違い確定になり当期純利益と繰越利益剰余金も間違い確定ですが、後ろ2つはほぼ間違いなく誰も回答できていないので埋没箇所として無関係。上4つが合否に影響で4~6点程度マイナスです。

その他3.備品の処理は前期から改訂償却率0.334を使っていることは理解していましたが前年から処理する方法を知らず間違い。何パターンかで忘備価額になるまで計算してもしっくりこなかったので諦めましたがもうちょっと時間をかけて考えれば正答できたかなと思います。4.の投資有価証券(と自己株式)は時間をかけて正答できました。減損損失後の戻し入れは行わないので期末時価評価するか悩みましたが、減損損失の戻し入れと時価評価は別だろうと思い処理しました。5.の社債は結構簡単に考えていましたが終了前に見直したところ社債利息350が決算整理前残高試算表に記載されているのはおかしいと思い再計算して事なきを得ました。1.を解いていたら時間切れで間違いに気づけていなかったところでした。6.の退職給付債務は過去勤務債務が何気に珍しく出ていた気がしましたが別に処理は変わらないので問題なく対応できました。7.の繰延税金資産は期首の計算が何故かなかなか合わず振替処理ミス等色々考えようかと思いましたが時間足りなくなりそうで他の見直しに費やすことにして諦めました。法人税等調整額だけは回答。8.の法人税も簡単に考えていましたがもっと深い論点だったのか間違っていました。商業簿記の難易度はやや難~難だったかと思います。

商業簿記は15/25点、会計学と合わせて36点/50点(72%)でした。


休憩を15分程度はさみ工業簿記・原価計算になります。休憩中外に出て用意していたチョコレートをたくさん食べ席に戻り少し最後の勉強をして過ごしました。

試験は工業簿記と原価計算の問題をざっと確認して簡単と思われる原価計算から解き始めました。問題1のCVP分析は1次方程式で解ける問題が多いので簡単に解けました。理論だけ深く考えすぎて1箇所間違いでマイナス2点。問題2は何が難しいのかすらわからず、簿記やっていない人でも解けるのでは?と思いながら注文履行数量に合計を書くのか臨時注文分だけ書くのか少し悩んで回答。全問正解。原価計算は23/25点(92%)でした。原価計算の難易度は確実に易です。満点続出じゃないかな。この時点で残り70分以上。

ここまででほぼ合格圏内に達した感触はあったので余裕を持って工業簿記に取り組みましたと言いたいところですが、全然解けなくて焦りました。材料の購入時の仕訳から進めていきましたが原料Aの払い出しを1個忘れていて棚卸減耗損がありそうもない金額になりこれはおかしいと思い修正。修正後仕訳から勘定連絡図に転記しようと思いましたが、補助材料BとCについても対応する必要があるため時間かかりそうと思い合格が見えてきたからか手が震えてきたのもあり気持ちを切り替えるため材料を一旦飛ばして得意な賃金計算から進めることにしました。賃金計算は慎重に休憩時間を除外して直接工の直接時間と間接時間を分けて仕掛品と製造間接費に配賦し、間接工と事務員の賃金は製造間接費に賦課して賃率差異を計算、回答欄に転記して問題なく正答することができました。

その後材料に戻って今度は簡単だと思われる補助材料Cから補助材料B、原料Aの順番に勘定連絡図を埋め、予定配賦と実際原価の差を材料消費価格差異に集約して最終的には仕訳に戻して回答できました。仕訳は手が震えてなかなか漢字が上手に書けませんでした。材料副費の内部副費の集約範囲を1箇所間違えてしまいマイナス1点。またこれにより製造間接費の予算差異も間違えたのでマイナス2点でした。経費は特に注意を要するものではなかったかと思います。

製造間接費の配賦と実際から差異分析を行い(上述の通り予算差異は間違い)、仕掛品にすべての原価を集約して当期製造費用を算出回答しました。工業簿記の難易度はやや易~普通だったかと思います。

工業簿記は22点/25点(88%)で、原価計算との合計は45点/50点(90%)。総合計で81点/100点(81%)となり70%のボーダーを突破、合格となりました。


■試験を終えて

今回の試験は比較的簡単回でしたね。商業簿記は難しかったですが足切りギリギリの10点、会計学は部分点拾いで15点として工業簿記と原価計算しっかり勉強していた人は確実に40点は取れるので65点となりボーダー付近には行けたかと思います。工業簿記・原価計算は近年易化傾向ですが、他資格との差別化のためにももっと難しくても良かったと思いました。折角いろんな問題解いたのに。。。会計学ももう一捻りあっても良さそう。商業簿記は問題を理解できる言葉で書いてほしい。


■今後について

1級持っていても活用できないので寂しいです。

営業が本職ですし1級までで簿記の勉強辞めるつもりでしたが、1級をほぼ完璧に理解できたとは思えないので折角の機会だと思い引き続き簿記の勉強を続けるために次は税理士の簿記論、財務諸表論を頑張ります。

こーゆーところが浅はかなんだよな。


2022年5月11日水曜日

apex S13に向けて

今日からシーズン13に入るので、前シーズンの振り返りと今シーズンの狙いをまとめようと思います。


1.シーズン12振り返り

まずランクの結果は、前半は212試合目でマスター到達するも、後半は400試合程度こなしてもダイヤⅠ止まりとなりました。後半途中でデバイスやプレイスタイルを変更した影響もあり最接近時で55RP程度と惜しいといえば惜しいですが、まだまだ簡単にマスターに行ける実力ではなかったということかと思います。もともと目標ダイヤ3だったので、目標には到達と前向きに捉えたい。

キャラクターは序盤はヴァルキリーを使用していた試合が多くありましたが、何を使うかというよりはどう使うかだと思い直しその後はほぼ一貫してワットソンを使いました。

武器については前半はセンチネルやウィングマンが冴えましたが後半はその2つがイマイチ当たらず、代わりにR301-CARなどの組み合わせが多い状況でした。R301は有効でしたがCARはなかなか相手に優位になる場面が少なく、SGを練習もしくはウィングマンを使い続けるべきだと思いました。

立ち回りについても前半のオリンパスはスナイパーとの相性が良かったからか味方との連携やキルを取り切る動きが良くできていた印象があるものの、後半のキンキャニは味方と意志が相反する場面も多く、それが優柔不断となり選択ミスや漁夫に倒される結果につながることがありました。前シーズンの課題であったアイテム漁り<漁夫対策は特に後半で身についてきたのでその点は反省をいかせたと思います。

その他後半で良かったのはジャンプマスターで、9割程度の確率で複数の候補を持った状態で降下できるようになれたので、引き続き修練していきたいと思います。


2.シーズン13にやるべきこと

ダメージを与えた敵を詰めて倒すムーブができていないので、積極的にいろいろなレジェンドを使って検討したい。ストームポイントのワットソンもトライしたい気持ちはありますが、ポイントシステムが変わってキルも必要になるので、キルチャンスを無駄にしないキャラクターを模索したいと思います。

武器についてはR301がクラフトとなったのでまたヘムロックを使うかあるいはランページやフラトラを突き詰めるか考える必要がありそうです。フラトラは2倍までなら使えるけど3倍4倍となると当たらないのよね。。。投げ物は後半少しだけ良くなったと思いますので続けていきたいです。それとキャラコンが壊滅的で戦闘中にミス死が多すぎるのでもうちょっと体系的な練習を組みたい。

デバイス面ではモニターの設定はかなり良くなりました。マウスはXliteのWirelessを手に入れましたがもう少し小さい方が良かったかなと思うのでminiにも手を出して調整したい(またマウス沼にハマりそう)。

今シーズンはキャラコン練習にも時間を割きながら、前後半合計で500試合くらいこなしたいと思います。しっかり練習できてランク回せればマスターに入れるはず!

2022年2月13日日曜日

apex S12に向けて

 S11から少しずつapexを再開したので、現状の評価とS12に向けての課題を整理したいと思います。


1.レジェンドプールについて

S11前半のストームポイントは復帰したばかりなので慣れ親しんだクリプトを使用したが、後半のWEでは建物の戦いが多くクリプトでは索敵が難しいと判断して、レジェンドプールを広げる意味でワットソンに切り替えた。途中でフェンスの難解さやこれガスおじでよくね?と思うことも幾度となくあったが、最後までワットソンでやり遂げることができ、なんとかソロでダイヤⅢまで到達したので一定の成果はあったと思う。

ワットソンはクリプトの弱点である対人戦闘力や拠点を守る力を持つが、クリプトと同じく移動能力の無い部分が欠点であり、ソロプレイ時に先二人が移動できるレジェンドを選択しなかった場合や、今まで一度もないがクリプト-ワットソンと選ばれたときの事も考えて、ヴァルキリー等移動系の使用も検討したい。

また、シアのスキルが未だによくわからないのでカジュアルなどで使用すること。意外に新レジェンドはぶっ壊れではなかったので、しばらく使わなくても良さそう。


2.武器について

ようやく近距離武器+中~遠距離武器を使うと強いという意味が理解できたので、組み合わせを意識して試合に臨むこと。ウィングマンは近距離武器である。中距離はダメージ期待値低いので牽制や弾節約の目的で使うこと。

ウィングマンを使えるようになったのが今シーズン最大の成果であった。pad勢は単発武器苦手らしいのでウィングマンの良さをどんどん見つけて差をつけていきたい。練習してCarも使えるようになったのも大きいが、まだ使用時に不安があるので練習するのとR99が腐り気味なのでCarとR99で使い分けを考えたい。ショットガンも使えるようになりたいが、昔からあまり得意な武器ではないので、S12後半以降の課題とする。

中~遠距離武器ではR301が一番強い。フラットライン、ハボックも強かった。特にハボックは発射レートの高さから近距離でも使えると思う。プレマス帯ならわかるけど何故ダイヤ帯以下でこんなにもハボックが過小評価されているのか不明。発射音で逃げるプレイヤーとかダイヤ帯には滅多にいないけどな。。。S12からボルトが消えるのでトリプルテイクも練習してエネルギー武器の選択肢を確保すべき。

その他スナイパー全般は苦手なので、倍率感度調整も兼ねてS12の重点課題としたい。アーマー弱くても遠距離系武器を持って育てられるようになりたい。


3.ジャンプマスターについて

積極的にジャンプマスターを取っているので回数分くらいの経験値はあるが、複数の選択肢を持った状態でジャンプに踏み切りたい。

ここしか行けないけど今行けるから飛ぶ⇒同じタイミングで他パーティも飛んで両者譲らず戦闘みたいなパターンが多かった。プレマス帯は知らないけどほとんど変わらないので最速降りはあまり気にしなくても良さそう。

敵と降下場所重複しそうな場合は、多少物資を犠牲にしてでも逃げられる選択肢を持てるエリアに降りることは大事(例えば展望の奥に降りるのはNG)。


4.連携について

soloで回していて辛いのがこれ。積極的にピン使っているが聞いてくれないことがあるのでその場合は諦めて付いていくが、良い結果になることが少ないので、負けそうになったら早めに見切りつけてポイント下落を防ぐムーブに切り替えること。S11で損切りの重要性に気づけたのは収穫だった。1人になっても隠れていれば5位以内になれる確率高く、そしてS12からは順位ポイント増えるので損切りさえできれば大崩はなさそう。

自分の中で戦うか逃げるかの判断基準がまだ曖昧なので、時間、アーマー差、位置関係、リングの距離、漁夫の有無でしっかりとした基準を作ること。難しいけど最終リングまでの道筋を瞬時に組み立てられるようにしたい。あと戦闘中に離脱したいのに連携取れないのでその場合は流石にVC使うか。それとワットソンでアーマーを回復できることを知らない人が多いのでなんとかしてくれとは思う。


5.索敵について

デスボックスやレプリケーターにかぶりつかないことを覚えた。後半は漁夫キャニオンが来るのとクリプト使わない場合も増えるので、物資は味方に渡すくらいの気持ちで索敵するのが大事。


6.アイテムについて

バックの中身については最初は弾や回復少なめにして投げ物枠を大量に作るのは強いと思ったけど、投げ物下手で有効に使えていないのと、中~遠距離武器を持つようになった関係で弾薬を増やした結果ほぼ最適解にたどり着いたと思う。

アイテム漁るルートはプロの動画を参考にしたい。また、移動中に頭の中で自分と味方がほしいアイテムを整理してサプライボックスの判断を素早くしたい。

それとデスボックスの漁り、特にアーマー抜くのが遅いのを意識しよう。


7.戦闘について

ようやく道の真ん中で打ち合う不利を悟ったので生き残るシーンが増えてきた。岩大事。

移動できるレジェンドではないので、どのラインまで前線上げられるか考えながら戦いたい。

投げ物は敵の位置がわかってから投げること。バック1枠を無駄にしないこと。


これぐらいかな。S12もダイヤ3(できればダイヤ2...)目指してがんばります。

2021年9月5日日曜日

チートを許すな、革命だ、選挙に行け

掲題の件、またぞろチーターが湧いた様なので書きます。


僕は、ゲームは上手く付き合えば自分を成長させてくれるツールになると考えています。

自分の過去のプレイから悪かった部分を発見できる能力と、それを毎日少しずつ改善していける努力は、ゲームの成績を上げる定番セットですが、これと同じ方法でテストの成績も上がりますし、それだけでなく社会に出てから独りで生きていく上で基礎とも言えるスキルでもあります。

FPS等のチームという、全く関係性の無かった人達が集まって作った即席の組織の中で自分の役割を果たし貢献していく、あるいはリーダーとして組織をまとめるという経験は、10代20代のレベルでの現実生活では貴重なもので、かならずその後の自分にプラスになります。経験を得て血肉となった人生哲学は、その人のレベルを一段も二段も上げてくれると思います。

そんな社会貢献とか自身のキャリアなんてどうでもよくて、日々テキトーに、そこそこ楽しく生きていれば満足な人も多いと思います。しかし今はそんな考えでも、いざ自分にとって守るべきものができたときには次の世代に自分が何か残してあげなくてはと思うようになりますし、あるいは老いて静かに死ぬ頃には、一度しか無い人生をもっと真剣に生きていればよかったと後悔します。僕は15年前からネットゲームを始め、これまでプロになって収入を得たり、人気になっていい思いをしたことは全くありませんが、それでもネットゲームで失ったものより、ネットゲームから得たもののほうが圧倒的に多いと断言できます。


ですがチーターはゲームからこの様な利益を全く得られていません。勝つことで一瞬の満足は得られるとは思いますが、もちろんその勝利が本当の自分の能力や努力の証明でないことは知っているので、わずかばかりの承認欲求が満たされるのみです。チームに入ったとしてもチートを使い続けて承認を獲得し続けなければならず、その様な偽りの人格が他人と正当な関係性を築けるとは思えません。言ってみれば犯罪者が犯罪者であることを隠して生活するようなものです。いつ自分の真の姿が露見するのかと自らの影にも怯え、いざそのときに周りの人が自分を非難する夢を見ては怯え、他人が制裁を受けるのを目の当たりにして我が事のように怯える。例えば初心者チームに入ってチヤホヤされると気持ちいいかもしれませんが、自らの実力はそれら初心者と同等以下であるため指導力を発揮できず、かと言ってチーターであると告白するわけにもいかないので表層の関係に終始する日々を送るのみ。あるいは上位のチームに入って高いスキル集団の一員となったことに一旦は満足しても、彼ら/彼女らとは根本的にゲームに対する姿勢が異なるわけですから、いずれベクトルの違いが明確になり破綻するのは目に見えています。

チーターの皆さんには、ゲームから得られる利益というものは、決して他人から与えられるものではないということに気付いてほしいと思います。ネットゲームが今日の様な市民権を得る以前からFPSを真剣にプレイしていた人は既に気付いていることですが、他人から何か言われたり、思われたりすることが嫌で自分の気持ちに嘘を付くことは、決して自分の為にはなりません。他人からの評価ではなく、自分で努力してここまで来たという自負こそが自分を支えるものでありこの世を生き抜く糧になるのです。

これを書くと甘いと思われる人もいるのは重々承知していますが、我々が本来憎むべきはチートツールであって、チーター(チートを使う人)ではないと考えています。たしかにチーターは最大限に譲歩しても人間として未成熟と言わざるを得ませんが、チートはチーターがゲームから学べる機会を意図的に奪っていると考えます。犯罪者も更生すれば社会に復帰して貢献できる様に、チーターもチートを使うのを止めて真摯に努力すれば、ゲームから利益を得られるはずです。我々は更生した元犯罪者を元犯罪者という理由だけで迫害してはならないし、元チーターを元チーターだという理由だけで遠ざけてはならないと考えます。

ただし、チーターが悔悛し更生を志すのであれば、まず謙虚な心で自らの過去の行動を自省し、偽りのない気持ちを告白し、周囲に協力を依頼し、自分の真の実力でもってゲームに取り組まなければならないと思います。その様な姿勢を見せ続けることで、またコミュニティに受け入れられた元チーターも数多くいると思います。これに対して表向き反省したように見せかけつつ実態はチートの使用を否定し、転生し、再びチートを使ってプロになろう、注目を集めようと企画するのは、ありていに言ってチート依存症の状態(病気)であると考えます。

例えばアルコール依存症は否認の病とも言われ、依存症に陥った人間の定番セリフとして「いつでもやめられる(自己を過大評価)」、「大した問題ではない(問題の矮小化)」、「昨日は飲まなかった(例外探し)」、「仕方なく飲んでいる(他責)」、果ては「どうせ自分は変わらない(自己否定)」、「酒が悪い(?)」と言った発言が挙げられます。(?は言い訳にもならない)

これに対してチートを使用したプレイヤーの言い訳についても、「チートなんか使わなくても元々俺は強い(自己を過大評価)」、「チートを使うのは普通のこと(問題の矮小化)」、「確かに以前のゲームでは使ったがこのゲームでは使っていない(例外探し)」、「相手もチートを使っているのに自分だけ否定されるのはおかしい(他責)」、「努力して目立っている他人が許せない、その努力を無駄にしてやりたい(自己否定)」、「兄弟のPCだ(?)」、「中古のPCだ(?)」、「(証拠は無いが)hackされた(?)」、「友達にアカウントを貸した(???)」、とほぼ内容は一致しており、チートも否認の病ではないかと思います。

依存症からの復帰の第一歩は、自らが依存症であることを認めることにあります。依存症であることを否定する人は、あらゆる方法を使い否定しようとしますが、チートを使っているにも関わらず否定して転生し、再度チートを使う人は自分の力だけでは依存症から抜け出せない病気の状態であると考えています。

繰り返しますが、チーターからの復帰の第一歩は自分がチータであると認めることにあります。闇に堕ちたチーターを社会復帰させるためには、彼ら/彼女らが現実に根ざした人間社会関係の下で、何故自分はチートを使用しているのかという自身の根本の問題を直視し、生き方を変えることが必要だと思います。しかし現実問題としてPCゲームはチーターによって破壊された、あるいは破壊されつつあり、コミュニティにとってチート対策は喫緊の課題であるために、チーター個人へ攻撃が向いてしまうことも理解しなければなりません。

ですが一介のプレイヤーがチーターに対して個々にチートの使用を止める様に要求したところで既に述べてきた通りチーターは依存症(病気)の状態であるので、自らの判断で止めることができません。10年前と比べてesportsの興隆等によりゲーム人口が増えたことで軽い動機からチートに手を染めるプレイヤーも多く、その結果チート開発者の経済的利潤も増えるため、チートツールの品質、種類、入手性は今後益々増していくものと思われますが、人の弱い心に付け込んだ需要-供給関係に対してコミュニティ、ゲーム会社、議会(法律)が有効な対策を打てていないことが、根本問題であると考えています。

短い目で見れば例えばプロプレイヤーにおいては実名、住所、顔写真入りの身分証、転生に備えたVC音源等の提出を義務付けると言った対策が出るかもしれませんが、それらは短期的にプロシーンを守ることにはなっても、ゲーム自体は破壊され続けると思います。

むしろよりマクロ的な問題解決策を取るのが適切で、コミュニティが一体となって主体的にムーブメントを起こし、ゲーム会社、議会議員、行政、団体、病院、研究者等ステークホルダーに対して行動変容を促す(例えばアンチチートに対する研究費助成、チートの害についての周知活動、チート開発者の摘発・処罰についての国際的枠組み、チート使用者のケア体制の構築等)ことができれば、よい方向に変わっていくのかもしれません。


ただチーターを追い詰めても得るものはないからチートを憎めと言ったところで、たくさん努力してきたプレイヤーに月に13.99ユーロ払えば勝てるという資本主義のシステムは到底許容できるものではありません。実際一人の犯罪者に全体が悩まされること自体、資本主義体制が破綻している証左であり、我々労働者階級が労働基準法を無視したブラック企業の下でマルクス主義的な意味で搾取される一方で、休日出勤とサービス残業を強いられ疲弊した労働者の弱みに付け込んでチートという名の麻薬を売り上海のタワマンでワインくるくるしているチート開発者はブラック企業の社長同様明確なクラークです。万国の労働者が団結する社会主義革命でしかこの問題を打倒(以下略)。。。

最後少しだけ左に寄ったかもしれませんが、いずれにせよ何かを変えたければ、誰かが変えてくれるのを待つのではなく、自ら第一歩を踏み出すしかありません。チート対策を社会に求める人は一見遠回りに見えますが、今年の秋に行われる衆議院選挙時に、地元の候補者全員のSNSに、投票の参考にするためという理由でゲームにおけるチート問題をどう考えているか質問を送り、最良の回答を得た候補者に投票する考えを伝えるとよいかもしれません。国会議員は基本的に国民全員に対して仕事をする必要はなく、そのため国民は議員に対して無能の評を与えがちになりますが、実は議員は自らを議員たらしめている支持者に対してはしっかりと利益を与えています(そうでなければ支持者からの支持を失い落選する)。例えばある議員の支持者の大半が空飛ぶスパゲッティ・モンスター教の信者であったとすれば、議員本人がそれをバカバカしいと思っていたとしても、必ずその宗教を養護する行動を取ります。今の政府がコロナ問題等で若者寄りの政策を取らないのは政府が無能なのではなく単に若者が投票に行かないため支持者となり得ないから無視されているだけですので、この様な社会を変えるためには若者の投票率を上げることが必要です。(投票先はどこでもよいので)必ず選挙に行きましょう。


さて今チーターである君へ、こどもの頃は自分の失敗や社会の失敗を親や大人の責任にできたかもしれません。チートに依存する君にも、チートを使わなければならない苦しい理由があるのだと思います。しかし学校を出ればもはや自分は自分で救わなければならず、18歳になって選挙権を得たら否応なく今度は君自身がその失敗した社会の一部になるのです。君がいつの日か自分自身や特定の誰かや社会ではなく、チートそのものを憎むことができるようになれることを祈ります。

2021年8月15日日曜日

投げ物開発について part2

 part1はこちら

2章 効果

前章では成功率は再現性に依存することを説明しました。

この章では、効果的な投げ物について、様々な視点から書いていこうと思います。投げ物を開発する際や、これまでなんとなく使っていた投げ物について改めて考える際に、参考にしてもらえればと思います。


#2-1 時間軸

前章では再現可能性が主な議題でしたが、実戦では再現性だけでなく投げるまでの速さも求められる場合が多くあります。

下に示す通りnukeのventを降りるためのSGは、2Fのheavenにいる敵の視界を遮るのに有効ですが、HUTの上にいる敵には有効ではありません。そのため時間的に敵がHUTにポジショニングすることができない開幕直後に投げると効果的ですが、試合の途中で投げてもHUTへの対策ができていないため、これだけでは不十分な場合があります。

(図1:nukeの開幕vent降りSG)


つまり同じ投げ物でも時間によって効果に差が生じます。特に開幕の投げ物については1秒投げるのが遅いと全く効果の無い場合も多く、精度を多少犠牲にして投げるまでの速さを取る場合が多々あります。

開幕のTラッシュを止めるために投げるmolotovは、最大で5人の敵の足を止めることができますが、試合途中で敵がバラけている状態のときに同じ場所に投げても、その効果は5人より少なくなりますので、効果は小さくなります。

(図2:開幕Rを止めるmolotov ※これだけでは止まらない。

投げ物は相手が投げたら返すと効果的ということがよく語られますが、これを時間軸の文脈で語ると、相手の投げ物の効果が自分の投げ物の効果より先に消えてしまうために効果的であると言えます。(後述する通り投入資源の差という文脈で語ることもできます)

SGの効果時間は約18秒、molotovの効果時間は約7秒のため、(18×5)+(7×5)=125秒はmap上で通行しにくい場所を作ることが可能です。現実的にはひとつの場所に投げ物をスタックさせることは難しいことですが、infernoのbananaやoverpassのB Longなどの狭くてmap上重要なポジションについては投げ物を重ねる作戦が取られやすいです。

他の投げ物と同じタイミングで投げることで効果を高めることも可能です。set smokeでサイトへ入りやすくしたり、molotovを複数の場所に投げて敵の隠れる場所を限定させたり、FBを前と後ろに投げたりすることがその代表例になります。

(図3:trainのBサイトに侵入するため2つのSGを投げる)

(図4:昔ミーハーな人達がこぞって真似したB site全焼molotov)


投げ物開発とは、常に時間軸を意識したものでなければなりません。
もしBラッシュを止めるためのmolotovであれば、開幕何秒後でどのエリアを燃やせば効果的なのかを把握した上で、そのエリアに最短移動ルート上から投げ込めるmolotovを開発することが必要です。

(図5:奥に投げ込むことでアパートへの侵攻を防ぐ)

上図5はmirage Bの開幕molotovです。部屋の奥に投げ込むことでキッチン以外のB アパートをクリアすることができます。

set smokeであれば、展開後速やかにサイトに侵入できる様な位置から投げることが必要です。この意味において一般的なmirage A setのオーダーは改善の余地があると言えます。

またfakeで使用する投げ物については、できるだけ本命側から投げると刺さりやすいと考えている方も多いと思います。これは時間軸の観点から語ると間違いではないのですが、overpass A⇔B fakeで考えるとわかる様に、投げ物が飛んでくる方角で大体どこから投げているかバレてしまうので、時間以外にも投げ物が描く放物線についても考慮が必要です。
(図6:ASからheavenに投げてもどこから投げているかすぐバレる)

またSGとFB、molotovやHE等、複数の投げ物を同じポジションから投げることができれば、一人で投げ物を重ねることができます。例えばset smoke投げた後に同じ立ち位置から投げるFBを開発することで、より素早く投げ物を投げることができます。
(図7:train Bは大体この辺りから投げることになる)

特にsmokeについては着地後に展開する仕様になるので、overpassの様な天井が高いmapでは投擲後にキャラクターを移動させ、smoke展開と同時に別の位置からFBを投げる等、時間差で投げ物を重ねることも可能です。


#2-2 意味

成功率、時間軸と共に意識しなければならないのは投げ物の効果です。

(図8:coilから移動する際もダメージを与える)

上図はtrainのB setで使われるmolotovですが、この様にcoilから追い出した後も継続的にダメージを与える広がり方で投げるのか、それとも階段下~coilのラインのみを燃やす投げ方なのかで、効果(この例ではダメージ量)に違いが出てきます。開発する際には成功率、時間軸だけでなく、効果についても許す限り最大の成果があげられる様に考えられたものでなければなりません。

許す限りというのはこれまで述べてきた通り投げ物によって求められる精度が異なるため、ある程度のレベルで妥協しても許容できる場合があるからですが、それだけでなく現実世界の時間も有限なため、ある程度のレベルまで到達した投げ物をブラッシュアップするよりも、次の投げ物を開発したり、別の課題に時間を消費する方が試合の勝率を上げることができるからです。ときどき難易度の高い投げ物を必死に練習している人もいますが、投げ物はあくまで試合に勝つために投げるものですので、優先度を意識した上で練習しましょう。


それぞれの投げ物の意味を考えることで、効果的な投げ物について一般論を語ることができます。即ちsmokeについては上下左右の壁まで煙が到達するとより効果的、molotovについては対象のエリアを広く燃やすとより効果的、FBについてはブラインドさせる位置が多い且つ効果時間が長いとより効果的、HEについてはよりダメージが与えられるとより効果的になります。

(図9:上下左右の壁まで煙が達しており効果的)

上図9は旧cacheのA Main smokeになりますが、左右の壁際からSiteを覗こうとしても煙で見えないため、見えるsmokeと比較してより効果的な投げ物になります。一方で下図10の様なsmokeの場合は上側に隙間ができており、図9と比較して上方向に効果が低い投げ物といえます。

(図10:上に隙間が確認できる)

上図10は実戦ではほぼ影響はない隙間のため特に問題となりませんが、smokeはこの様に上方向に隙間ができることが多く、それを相手に利用されることがあります。
mirageのA set smoke投げてもCT箱上に乗られるのが典型的なパターンですが、これを防ぐためには、下図11の様に箱上にsmokeを追加する必要があります。
(図11:CT箱~チケットを無効化するsmoke)

もちろんこの様な隙間をわざと作ることにより相手に覗かせる、あるいは自分が覗くことも可能です。俗に言うone way smokeはこの種類の投げ物になり、他のsmokeの様な視界を遮る効果とは別の意味を持っていると言えます。

(図12:one way smokeを意図的に投げることも可能)

開発に際しても従来の開発知識の延長線上で対応可能ですが、敢えて言えば相手に普通のsmokeと思わせるレベルまで毎回投げるsmokeと似せておく必要があります。上図12のsmokeはA main側から隙間有無の判断がつきにくく、通常の投げ物と混ぜることでより効果を発揮できます。

一方で下図13の様な明らかに怪しいsmokeは単発で投げても相手に怪しまれるため効果は低く、相手のsmokeに混ぜて投げる、投げ物ミスを装う等の工夫が必要です。

(図13:CTが見える)

mapの構造上どうしても左右の壁が完全には隠れない場合もあります。

この様な場合は例えば2個のsmokeを投げて左右を隠すか、あるいは下図14の様にできる限り中央に投げると許容可能なレベルの隙間に収まることがあります。

(図14:僅かな隙間なので走り抜けることができる)

また、上図10と重なる部分がありますが、下図15で上下左右だけでなく前後のsmokeの広がりについても、考慮する必要があることがわかります。この場合、ドア寄りにsmokeを投げるとsite側に広がりが甘くなりますが、site寄りに投げると今度はsite方向に煙が広がりsite裏まで入られてしまう可能性が高くなります。どちらが効果的かについてはその時の状況によって異なります。例えばこの場合、ramp側からドアを見ているにも関わらずsite方向に煙を広げてしまうと敵にサイト裏への侵入を許してしまう確率が高くなりますが、ドアの上で待ち伏せている場合はドアに近い位置に煙を展開しても煙を抜けた敵と戦うことになるのでsmokeとしての効果は薄くなります。またこのような何かの入口となっている付近のsmokeについては、状況によってはクロスを組んでいる味方の視界を切ることにも繋がりかねません。

(図15:意外に難しいどの位置にsmoke投げるか問題)

molotovは覚える数はsmokeより少なく1map20~30個程度かと思いますが、検証せずに適当に投げると端まで燃え広がらず重大なクリアリングミスを引き起こすことがあります。CSGOのmapはよくできていて、きっちり端まで燃やそうとすると精度の高いmolotovが求められることが多く、数の割に面倒な種類の投げ物になります。
(図16:旧cobbleのやぐらの上まで燃やすmolotov)

もうあまり知っている人も少ないかと思いますが、上図の通り旧cobbleのALやぐらは生半可なmolotovでは上の段まで燃え広がりませんでしたが、1pixel単位の精度で投げることで100%燃える様になります。
(図17:spawnを100%燃やすmolotov)

(図18:屋根下を100%燃やすmolotov)
(図19:箱の両側が燃える様に調整した投げ方)
(図20:強ポジKennyを燃やす)
(図21:D2 Aサイト奥を燃やす)

上図のようなT側の攻めで相手を炙り出してから攻撃する使い方の他に、下図の様にCT取り返し時にsiteに投げる場合にも高い精度が求められます。

(図22:site奥まで燃えるmolotov)
(図23:窓下が燃えるmolotov)

その他にも、train Bに代表されるような解除妨害としても利用が可能です。上述の通りmolotovの効果時間は7秒なので、数秒を争う設置後のせめぎあいの中では有効な手段となります。
(図24:いつものmolotov)
(図25:A mainからsite内を燃やすmolotov)

もちろん開幕Rを防ぐことや、set smokeに対してmolotovを返すことも重要な効果の一つです。#2-1で述べた投げ物を返すことの効果について意味軸の観点から見ると、投げ物というのは購入代金の他に、獲得しているエリア、投げる時間(移動時間、照準を合わせる時間、setであれば合わせる時間)等有限の資源を投入しなければ投げることはできません。例えばmirage A setをするためにT3人がA rampに集合してSG3個、molotov2個、FB2個と45秒を費やし、3人分のエリアも失ったのに対して、CT側がmolotov2個、SG1個、FB2個を返せばそれは費用対効果でTを上回ることになります。

今は修正されているのかもしれませんが一応molotov仕様である黒煙の差を利用する使い方もあります。これはmolotovを遠くから見ると黒煙で炎の先が見え難く、逆に近くからmolotovを見ると黒煙が映らなくなるため炎の先の敵が見やすくなる仕様を活用して、視認性の差で敵を一方的に撃つ方法になります(Smokeの端と似てますね)。ちなみに設定をshader/effect高にするとそもそも黒煙が薄くなります。それと投げ物開発とは全く関係ないですがmolotovを投げて侵入する際、燃えている場所をクリアリングするのはやめましょう。敵がいるなら燃える音が出ています。


HEはもちろん相手にダメージを与えるための投げ物ですが、CTについて言えば開幕Rを止めることや、10程度ダメージを与えてM4のhead1発圏内に持ち込むことが重要視されるためあまり精度は求められず覚えることはあまり多くありません。使うタイミングは少ないですが下図の様に設置中に投げることで相手にダメージを与えることもできます。

(図26:アパート設置に対してダメージ大)

一方TについてはCTの隠れているポジションに投げることになるため、定点を覚えることが必要になります。Tのメイン武器であるAKはhead1発なのでHE不要論もありますが、半分以上HEでダメージを与えておけばheadshotが出ない場合でも2発で敵が沈みます。また下図の様にHEを味方と同じタイミングで投げることで相手を吹き飛ばすことができるため有効と考えます。ただし、HEの特性上1箇所に投げることしかできないので、CTに隠れるポジションがたくさんあるtrainの様なmapでは有効性は下がります。overpassやinfernoの様なmapで多用すべきだと思います。

(図27:隠れる場所の少ないA siteにHEを重ね投げ)
(図28:CTにHEを重ね投げ)
(図29:coilにHEを重ね投げ)

さて、decoyについては触れないので最後に一番難しいFBの話です。(もうお腹いっぱい。。。)

FBの効果はこの動画に書いてある通り炸裂地点からのキャラクターの角度と距離で変わりますが、FBを開発する際にこれらはあまり気にする必要はありません。最も気にかけることは、どこを見ている敵に与えるFBなのかを意識して開発することだと考えます。

(図30:AS/AL対角への対策)
(図31:張り付きへの対策)

上図30と31で示した通り、infernoのT字に侵攻するFBでも敵の位置をどこに想定するかで投げるFBが変わってきます。恐ろしいことに、全ての場所についてこれと同じことが言えます。つまりあるmapでCT側の待ちポジションが50個あるなら、FBをマスターしようとすれば50個のFBを覚える必要があります。上述のT字の場合ですと張り付き、屋根上下、AL対角、AS対角の5箇所が主な待ちポジションですが、例えば張り付きでも前に張り付くのと、後ろに張り付くのとでは当然ですがキャラクターの位置が異なるので、投げるFBによってはどちらか一方は喰らわないことも十分にあり得ます。よくyoutubeに紹介されている様なFBは検証不足であることも多く、ある位置には十分に効果的であるがそこと同じくらい重要な位置には全くダメージが入らないということがよくあります。できるだけ1つのFBで複数のポジションをカバーできる投げ方を(限られた時間で)開発していくのが、FBの最も難しい問題のひとつだと考えています。

この難しさを示すために追加で例を示します。overpassのALの待ちポジションとしてよく採用されるのは、T側に近い順から張り付き、岩、木、トイレ出口、cafe上下(花壇上下)の6箇所になりますが、これら6箇所全てをカバーできるFBはありません。これには幾つかの理由がありますが、そのうちの一つは張り付きや岩とcafeの距離が離れすぎているため、岩に与える様なFBはcafeには届かず、cafeに与える様なFBは岩のポジションからすれば背中になるので喰らわないという単純なものです。また、木のポジションは木を壁をみなして右壁・左壁を作ることができるため、どちらの壁にも喰らう様なFBを投げることができないということでも説明ができます。(一応木の真上に投げると両壁喰らうと思われるがやはり張り付きや岩にとっては背中のFBとなる)

(図31:張り付きと岩への対策)
(図32:木の右とcafeへの対策)
(図33:トイレ出口とcafeへの対策)

上図31が張り付きと岩への対策、上図32が木の右とcafeへの対策、上図33がトイレ出口とcafeの対策、と言った様に、6箇所全てをクリアリングしようとすれば複数のFBを投げる必要があり、とても現実的とは言えません。

そのため敵がecoラウンドでDE張り付きがありそうであれば張り付きや岩対策のFBを投げる、味方が後ろに付いてきていれば岩や張り付きはカバーに任せられるので複数kill取られる恐れのある木へFBを投げる、またAWPが見てると想定するならばcafeやトイレ出口対策のFBを投げるといった、状況に応じた選択が必要になります(これもまた難しい)。

これらをmapの全ての場所について行わなければならないのです。更にsite内はFBの天敵である壁も多く更に待ちポジションが増えるためFBだけでは解決することができず、SGやmolotov、HEなどと組み合わせて投げ物全体で各ポジションに対応することになります。以下に待ちポジションの系統毎に与えるFBの作り方のコツを挙げますが、当然FBだけでは不十分ですので実践ではSG等との組み合わせや投げ物のタイミングについても考える必要があります。

①壁を利用しているポジションに対しては壁の逆側に投げる

(図34:左壁を作っているので右にFBを投げる)

(図35:右壁を作っているので左にFBを投げる)

上図34、35の様に、片側に壁を作るポジションの場合には、壁側は視界が防がれているのでFBは当たりにくい状態になっています。そのため壁とは逆側にFBを投げることで簡単にダメージを与えることができます。

②敵の待ちポイントが多い場所は上から全体に与える

(図36:出口と敵の間で上空にFBを投げる)

(図37:A Main出口の上にFBを投げる)

上図36、37の様な敵の待ちポジションが多いトンネル出口等の場合は、出口の上や出口~敵の間にFBを投げることが効果的です。待ちポジションは多いですが見ている場所は同じなので、出口付近にFBを投げることで多くのポジションにFBを与えることができます。なおFB対策をしている敵の場合は出口を見ている時間帯と見ていない時間帯があるので、この投げ方ではタイミングによってはダメージが入りませんし、①の様に壁に張り付かれている場合もダメージが入らない場合がありますので、過信はできません。

③トンネル内など高さが使えないポジションや張り付きに対しては目の前に落とす

(図38:トンネルの前にFBを投げる)

(図39:トンネルの前にFBを投げる)
(図40:張り付きの前にFBを投げる)


(図41:張り付きの前にFBを投げる)

上図38~41の様に敵が角待ちしているような状況や、トンネルなどで上に投げられないシチュエーションでは目の前にFBを入れることが効果的です。その際不可避FBとなる様に投げ方や立ち位置を調整するのがベストで、例えば上図38はheavenから打たれないB site内のポジションから投げていて一度壁に反射させる投げ方を採用していますが、この投げ方は反射音で敵に気づかれる可能性があります。改善点として右クリジャンプ投げや後ろ走り中間投げ等を使って引き続きheavenに打たれない位置を維持しつつ、壁に反射させずに投げる方法を模索するべきでしょう。

FBはもちろん敵の視界を奪うことが一番の目的で、これまでTがどの様に相手の視界を奪うかを述べてきましたが、実際の使い方としては後ろを振り向かせることが目的のFBや、FB後に敵が再ピークするのを狙う目的、fake用途として使って相手に投げ物を消費させるFB等もあります。本題とそれますが自分が投げるのがどのFBなのかについて、試合中コミュニケーションを取る必要があるでしょう。

またCT側にもラッシュを止める、投げ物を返して相手の侵攻を止める、取り返しFB等の使い方があるので、これらについても具体的な投げ物の研究が必要になります(例えば自分がよく守るポジションから投げられるFBを開発する、取り返しの位置から投げられるFBを研究する等)。

その他FBに関するtipsとして、壁や地面への反射音を消すために銃を撃つ(味方に撃ってもらう)、下手投げの場合はなるべく空中で炸裂するように上を向いて投げるまたはジャンプ右クリ投げにする、投げるときに音が出る場所と出ない場所が存在する(もうFIXしているかも)、味方のFBを避けるときは角度と距離を考えて白くならないギリギリの範囲で避ける(必ずしも180℃避ける必要はない)、投げた後どの順番でクリアリングするのか話しておくなどがよく議題に上がると思います。

FBについて色々述べましたが大事なことは敵の位置を予測してその敵に与えられるFBを投げることです。そのFBをキルにつなげられるように、味方や他の投げ物と組み合わせるとmuch betterです。


以上、CSGOはやるべきことが多すぎてnadeにかけられる時間はそこまで多くはありませんので、信頼できる人とチームを組んで分担して取り組むべきでしょう。本当にチームゲームやでぇ。