2019年6月16日日曜日

情報を公開することの弱さと、強さについて

本題に入る前に早口で
utageの第二回大会半月経過時点で全体の10%が棄権してたりdiscrodのsupportにルールを読んでいないであろう助けてメッセージがたくさん流れたりで管理側もモチベ維持できんのかなーと思います経験上海外のコミュニティの大会なんて開幕から半数がいなくなるし時間調整なんて至難of至難だしなんなら調整した時間すら日付単位で破ってくる宮本武蔵作戦がスタンダードだしルールなんて読む人どころか書く人すらおらず俺がルールだが跋扈していることを考えるとまだこのレベルで収まっているのはある意味日本の凄さなんですけどね。(経験談読みたい人はこれとか こんなのとか)

さて本題

scrimの際にGOTVを切る、切らないという話がtwitterでちらっと上がっていて、昔実体験として経験したことと重なる部分があるので、考えを残しておこうと思います。

GOTVを切るという行為がプロチームで一般的に行われているかは不明ですが、その意図は情報を隠すことにあると思われます。ピストルラウンドの戦術とか攻めるタイミングや配置等、すべての情報がdemoには詰まっています。現在HLTV ranking上位のAstralisやLiquidが練習しているdemoがゴロゴロ転がっていたら多くの人が解析を始め、すぐに彼らがどのように練習しているのか、CSをどのように理解しているのかが明らかになってしまいます。

FPSやRTSに限った話ではないですが模倣や守破離といった考え方は上達の基本ですから、練習風景の公開は彼ら上位層にとってはかなりデメリットとなります。そのためtopチームはscrim時にGOTVをkickし、POVのrecordも紳士協定で禁止しているのではないかなと推察します。最近EliGEがtiwtterで文句言ってましたしね。たぶん大会でも勝てる試合やあまり重要でない試合の場合は動きもそれなりに抑えているのではないかなとすら思います。

GOTVやPOVについての真偽はわかりませんが、もし上位層の試合が大会含めて現地観戦でしか見ることができず、結果世界の殆どのプレイヤーがプロチームのdemoを見ることができない世界線があったとしたら、その世界のCSGOの進歩は著しく遅いと断言できます(人気もなくなる)。ゲーム性を理解している集団による知恵と知識の共有こそがそのゲームを次のレベルへと進ませる原動力になります。ガリレオ・ガリレイも、ニュートンも、先人の実績の上に次の実績を積んだ訳であり、その辺の大学生が相対性理論を理解できているのも、決して彼ら全員がアインシュタイン時代の一流科学者より優秀であるからではありません。

このことは、当代でAstralisレベルにまで到達したチームにとっては、情報を公開することはそれだけ彼我の差が縮まり、彼ら自身の立場を危うくさせることを意味します。皇帝から見れば、反逆者は少なければ少ないほど安泰なのです。
ではCSGO版焚書坑儒は常に合理的な行動なのでしょうか?

上のことは、日本という島国の王となり続けたいものにとっても同様です。徳川幕府が外部上位層との交流を禁ずることで200年の安寧を手に入れた様に、蒸気船と施条銃の世にさぁいよいよ時代は切腹だ、いややはり刀は武士の心などと信じている人が多いほうが、ときどき起きる叛乱は弱く小さく、幕閣にとってぷちぷちと潰すのが簡単になります。

では、これから世界に追いつこうとしているチームにとってはどうでしょうか。彼らは積極的に自らの情報を公開し、情報のハブとなることで、自らが中心となる新規の上位層を形成し、そのコミュニティの中で盗み盗まれを繰り返すことで、コミュニティごと自らのレベルを次の段階へと進ませていく作業が必要です。
JPCS界にはそのためのツールも場も人数も揃っていると考えているので、あとは実行するだけの状況、あるいは僕の知らないところでもう始まっているのかもしれません。

RTSのh2hで世界上位層にたどり着いた身として、僕は1人では越えることのできなかった壁をたくさん知っています。
nyankoさんがいたからCoH2やれたし、kawagisiさんやブリクマさんがいたからtop50になれたし、配信してたからtop10になれたしESLでも優勝できました。
若いときは野球のヒーローインタビューとかでファンの声援があって打てたとか言うのを聞いても何いってんだこいつ打ったのは自分の実力だろなどと思っていましたが、年を取って自分がだんだん弱くなっていくにつれて、たかが応援一つでも、一緒に同じベクトルで進む仲間がいる時の心強さが、自分の実力を1段も2段も上げてくれることを理解できてきたと思います。

日本のトップは他の日本のチームより多くのものを持っていますが、すべてを持っているわけではありません。今仮に強さがレベルで測定できる世界線において日本topチームのレベルが8で、次tierのレベルが2であるとします。レベル8がレベル2に8の情報を渡し、レベル2がレベル8に2の情報を渡せば、お互いのレベルは10になります。ホントいえばそんな簡単じゃなくてレベル8の人はせいぜい8.01にしかならずレベル2の人はいいとこレベル3止まりなわけですがこの作業を繰り返すことでいつかはレベル10ぐらいにはなれます。
その後で2つのレベル10グループが5ずつ出し合えば両者15になります。これも知恵と知識の共有を何回も繰り返すことで15になります。同じ時間をそれぞれがgive&takeなしに過ごしても、レベル8は8.1ぐらいにしかなれないし、レベル2のチームは解散しています。そしてその間に、世界のレベルは100から110になっているでしょう。

8であり続けることは、10になることよりも簡単で、更に相手を2であり続けさせることは、15の世界で戦うことよりも簡単ですが、世界のトップが100であれば、取るべき合理的な道は一つしかないように思います。あくまで世界を目指したいならば、ですが。

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